2011/06/23

被災地から

311の地震による津波から100日以上経ちました。
今も自衛隊を始めたくさんの人たちが復旧作業に携わっています。

ワタシも復旧作業に関わって現地を見ていろいろ聞いて感じて言えることは
まだまだいろんな問題が山積みだ、ということだけ。
復旧は着々と進んでいる、とも言えるし全然進んでないとも言えます。
結局当初に言われたとおり被害範囲が広いことと地域の被害状況がそれぞれ違うことが
「復興格差」ともいえる状況を作り出しています。正直いかんともしがたいです。
ですが、足元の瓦礫を1個づつ片付けていく地道な努力以外に方法はありません。
ですが、一刻も早くなんとかせねばならないことも明白ですし、国や自治体も鈍いながらも動いていることも事実です。東京都に限って言えば発注事業や予算が激減してますし(笑
国力を東北の復興に集中しはじめていることは間違いありません。やらねば。

たくさんのボランティアの方々も精力的に活動されています。
そんな方たちのひとつ、 宮城県石巻で診療所を開設されておられる雄勝まごのて診療所
から相談を頂きました。被災地での瓦礫撤去作業に関する粉じん対策についてです。
こういう懸念が現実として問題になってきました。
瓦礫撤去の作業をされてる方々は自衛隊や我々のように組織的に関わっている人間
ばかりではありません。被災者みずからが携わっている場合が圧倒的に多いために
労働災害リスクに関する意識が薄いのと、知識が足りないのです。

一口に粉じんといっても単なる土埃からアスベスト、化学物質を含むものまで多様です。
特に石巻では港湾施設が破壊されています。造船所で使う塗料などには有害な重金属を
含むものもあります。住宅の断熱材のグラスウールなども呼吸で取り込まれれば
有害物質ではないにしろ気管や肺の粘膜の炎症を引き起こす原因になります。
ですが、そのへんで作業しているおっちゃんに「マスクを」といっても「苦しいから嫌だ」と
言われるのが関の山なのですね。

そういう状況に対して我々に何ができるか、何をしなければならないか、ということではなく
被災地では「考えられるすべてのことは起こりうるのだ」ということを念頭に置いて
直接、間接的にサポートしていかなくちゃいけないなと、そう思います。

被災地で働く人へより一層のご支援をどうぞよろしくお願いします。

9 件のコメント:

  1. シーシュポスの岩のように永遠に続くかと思われるような困難な復旧作業に携わっている方達に感謝しても感謝しきれないですね。どんな言葉も不十分に思えてしまいます。どんなに努力しても今はまだ遅々と進んでいくのもやむおえないのでしょうが、復旧が進めば進む程加速的に捗っていくのでしょうね。

    粉じんのような思わぬリスクもともなっているのですね。粉じんは怖いですよね。知人の会社の管理人さんが長年ペーパーシュレッダーの処理をしてきて、その粉じんを吸っていたことが原因で肺を酷く患ってしまったそうです。お気の毒でなりません。被災地で尽力されている方々にも十分な労働災害リスクに関する情報が必要ですね。

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  2. マスクしながら作業していると酸素が微妙に薄いの
    か頭痛がするんですよね。とはいえ私がいたのは5月の事。今はもっと暑いからみんなマスクどころではないらしい・・。 もうすぐまた行きますが、今度は破傷風の予防注射していかないと・・。

    けだものさん地理にお詳しいからご存知と思いますが
    あの辺り、離島がけっこうありますよね?石巻の田代島なんかは最近有名ですが、ああいう島は桃源郷の趣があるというか・・。なんとしても島民を帰してあげたいです。女川町の離島、出島は重機がいれられないので、ボランティアの方と島の方が手作業で撤去しているらしいのです。お年寄りもされています。
    ボランティアの数が不足しているらしいんですよね。
    やっぱりあの辺りは交通の便も悪いし、原発の問題も
    あるし、人は来ないのかなぁ・・。
    雄勝はよーく知っていますが、住所は石巻でも実際は距離があるし、小さい集落が浜沿いに張り付いているから、救援が入るのは一番遅かった所。海沿いの病院勤務の方も随分亡くなられたとか。
    あんな奥地に行ってくれる方がいるなんて・・。
    感謝。

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  3. 国の施策のような大きな力は強いですが、ともすれば鈍く、粗く、多くのものを取りこぼしがちです。
    そこをきめ細かく拾いながらやってくれるのが小さな組織、個人のボランティアのみなさんです。その意志と忍耐には本当に頭が下がります。

    もうシシューポスの岩と言おうか賽の河原の石積みと言おうか・・・際限が無いように思われる見渡すような瓦礫の荒野も数日の作業(というか苦行w)が終わって振り返れば、幾分陽の当たる場所が増えているのがわかります。
    ひじょーーーーーに地道なやり方ですがこれ以外に方法はありません。
    だからこそ作業に携わる人々がケガをしたり病気になったりすることはなんとしても防がなくてはなりません。彼らも被災者なのですから。
    自治体も書面で注意を促したりしていますが、やはり不十分です。人体に危険のあるアスベスト等の扱いも現場では十分な措置を望むのには現実的に無理があります。
    悩ましく歯がゆいところですが、やれるところから目に付いたところからやっていくしかないです。

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  4. Ciao nobさん
    いわきでね、お休みの日に瓦礫処理をやると言ったら、アスベストがあるかもしれないから、それ用の特殊なマスク、および、装備なしでは、やってはだめだと言われました
    でもね、私は言ってもらったから、わかったけど、
    そういう、特殊なマスクなしでやってる人がたくさんいます。
    だからね、せめてそういうボランテイアを募ってる、自治体とか、団体とかが、装備に必要なマスクくらいは用意するのが、筋じゃあないかなあと思いましたけどね

    今回の被災は本当に広くて深い
    だから諦めず、楽観することなく、悲観することなく、コツコツそれぞれが自分のできる力を長く注いでいくしかないよね

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  5. ぁ、言い忘れちゃった
    nobさん、いつもお疲れさまです ^^

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  6. まりまんどな2011年6月24日 5:46

    あー。私も女川の町普通の花粉用のマスクで歩いて
    いました。女川はALL OR NOTHINGの世界なので、手作業で瓦礫処理とかしている人はあまりいないのですが、石巻の漁港辺りはみんな花粉用のマスクもしくはマスク無しで家の片付けしていました。”今日、仏さん2体いた”とかいう世界みたいなので、なんか・・マスクとかそういう感覚マヒするのかなぁなんて思っていたのですが・・。 あとマスク付けて瓦礫をかき分けて探し物していると低酸素なのか、頭痛が・・。

    けだものさんは地理詳しいからあの辺りは離島が多いの御存知ですよね。重機が入れられないのでみんな手作業でやっています。お年寄りもみんな頬かむりで
    やっています。あの変の離島、田代島なんかは猫の島で有名ですが、桃源郷の趣があって・・私も思い入れがあるんです。で、来月は私も撤去作業に加わろうと
    思っているのですが、些細な傷で破傷風で重篤な状態になる人もいるらしいです。私も出発前に破傷風の
    予防注射してから行きます。私はなんとしてもあの離島に島民が帰って欲しいんですわ。 旅館も個人商店もない。車も数えるくらいしかないし、警察駐在していないからある意味無法地帯なんですよ(笑)。
    警察来るとき島内放送入りますから!! 
    そんな土地、日本にもあるんです。このまま無人島になんかなったら一生悔やまれます。
    >>続く

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  7. まりまんどな2011年6月24日 5:59

    孫の手さんが雄勝町に入ったっていうのは半端でない
    気持ちが分かるんです。雄勝町なんて平成の町村合併
    で石巻市になっているけど、三陸の奥の奥ですもん。
    海岸沿いに張り付くように集落がありますよね。
    で、海のすぐ近くにあった病院のスタッフも患者さん
    もかなりの方が犠牲になって、私達も雄勝の人の医療
    サービスどうすんだ?って気にしていたんです。
    本当にありがたい話しです。
    正直、仙台、名取、石巻くらいまでは当然市として
    存続すると思いますが、女川や南三陸や岩手の大槌町なんて、存続の危機です。 町民もどこかに
    町が消滅するかもって気持ち抱えて言葉に出来ない。
    でもやるだけやるかってそんな雰囲気もあります。
    ま、でもみんながやるかっていう気持ちになっている
    んだったら私ものらないわけにはいかない。
    義理とかそういうんじゃなくって、同じアホなら踊りゃなソンソン♪♪ってそんな感じです。

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  8. まりまんどなさん、こんばんわ。
    ワタシ実はバイクであちこち旅行してて女川の民宿にも泊まったことがあります。
    で、5月に残念ながら、ホント望まない形で再訪してしまいました。言葉が出なかったです。
    なんでしたっけ?あの三角のあんこの入った八つ橋みたいなお餅・・あのお店も・・なんにもない。とにかくなんにもない。

    本当に申し訳ないですが、悔やみを言えばいいのか励ませばいいものなのか・・・ワタシ自身が被災したわけでもないのに茫然としているような感じで。正直なんと言ったらいいのかわかりません。
    ただ機会があったら、もし女川町で災害復旧の仕事をする、そういう機会があれば全力でやらせてもらいます。それだけは必ず、とお約束します。

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  9. junkoさんこんばんわ。
    実にそうなんだけどねー。
    現場ではアスベストも泥も魚の腐ったのも(笑)みんなごちゃごちゃになってあるわけで、いわゆるアスベスト処理というのとは違ってて・・なんていうかある程度覚悟の上で「エイヤー!」で思い切ってやっちゃわないと先に進まない、って面も確かにあるのです。それが正しいとは口が裂けても言えないんだけど。

    そんなこともあるもんで記事も実に歯切れが悪くて申し訳ない(笑

    ワタシはワタシの考えでもって「ボランティアはやらない」ってのがあるんです。
    これはワタシの仕事です。契約に則って請けた仕事。
    ですからご苦労もへったくれもないです、仕事ですから(笑)

    ご苦労様なのは、まごのてさんのように、他の方々のように、誰よりjunkoさんのように(笑)
    誰に頼まれたわけでもなく自分の意志で現地に赴いて働く人々ですよ。本当に頭が下がります。

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