2011/07/08

原発いる派?いらない派?

というわけでいよいよ始まるわけです。再生エネルギー法案の審議。
『再生エネルギー法案 14日審議入り』

何度も申し上げているように、この再生エネルギーの扱い。
なんで反原発とセットなんでしょうね?
どうもそういう安直な対立軸の作り方ってものに
日本のメディアの質の悪さ、頭の悪さを感じずにおられないわけですが。

そもそも。
「意外!」って人もおられましょうけど、ワタシ別にいわゆる「反原発」ではありません。

ワタシが原発にNOという理由は。
現時点では核エネルギーサイクルは破綻している上に 、まだ実用化にはほど遠い。
核廃棄物の完全な処理ができない以上、それを生み出すべきではない。
(だから将来に向けて小規模に実験を続けるのは大いにアリだとおもう)
というのがひとつ。
起こりうる事故のリスクが国内的にも国際的にも社会の許容量をはるかに超えるという事実。
それに対するリスクヘッジの方法論が今の時点では見当たらないということ。

もうひとつが上にも書いた「2項対立の構図が好きな日本人」という理由。

原子力発電というものがこの世に生み出されたワケにはまったく感心できませんが
その「モノ」がある以上、それを利用する、というオプションはある。と思うわけです。
ウランという鉱物も化石燃料と大して変わらない程度に偏在はしてるのですが
少なくともエネルギーに対する安全保障という考えがあるなら、多様化を進めるのに
これを選択肢のひとつに入れない手はないとは思うのです。

しかし、それについて我々が推進するにせよ、反対するにせよ理性的に判断を下せるか?
というと非常に心もとない。っていうかムリだろうなと。
今の騒動を見て、やっぱりそうだよねぇ…と思ってみたりするわけです。

例えば。
各地で頻繁に見聞するゴミ処理施設や火葬場、刑務所、広くは米軍基地を含めてもいい。
こういう「迷惑施設」に対する住民の対応というのがね、まったく始末に負えない。
総論賛成各論反対。ネコは怖いけどネコの首に鈴をつけるのは絶対イヤ!というw

電源損失を考慮に入れなかった原発の緊急対応マニュアルやら、古い話になりますけど
ワタシの地元函館にソ連のミグ21戦闘機が強行着陸した事件やら尖閣諸島で海上保安部の
巡視船が体当たりされた事件。みんな同じ根っ子を持ってるんだとワタシは思うのです。

イヤなこと、必要かもしれないけど怖いこと。それを直視して冷静に理性的に対応する
能力というのがどうも日本人には欠けているように思えます。
耳をふさいで「あーあーあーあー、聞こえなーい。何も聞こえないー」というヤツ(笑

だから緊急時に役に立たないマニュアルができるし、先に撃たれないと撃ち返せない軍隊
という笑い話みたいなモノが平気で存在してるのですね。

「日本は戦争をしない。だから軍隊はいらない」
「原発は安全だ。だから緊急対応はこの程度で十分」
同じメンタリティでしょ?建前を現実に侵食させてそれで平気でいれるという…
これはとってもキモチワルイことだと思うのですよ。

まぁコレについてはまたいずれ別の機会にじっくりやることにして話しを戻すと
再生可能エネルギーというのもまたひとつの安全保障のオプションです。
ランニングについては100%純国産、しかも無尽蔵という極めて優秀なオプション。
つまらない政局や思惑に躓かずに50年後100年後を見据えて議論してほしい。

そう願うばかりです。

4 件のコメント:

  1. Ciao nobさん
    そうそう、その通りだね
    昨日ね、イタリア人の友人と話してて、私が日本に原発54基あるって言ったら、彼が息を飲んでそんな危険なこと、って言うのよ
    彼が言ってる危険って言うのは、どこかの国に襲撃され、原発一基どかんとやられたら、おしまいじゃあないか?と
    おまけに日本には軍隊もなく、あまりに無防備であると
    普通の欧米人はそう考える
    攻撃され慣れてるからね
    それさえ、考えないってのは、やっぱり一個の国として変
    私は戦争に反対だけど
    でも、最低限自分で自分の事守るってのは、基本だと思うわけで、そこに第三者を盲目的に信用しきってる、て言うか、頼りきってるって言うか
    いざとなったら、アメリカなんて何もやらないっつーの
    なぁなぁで誰かの犠牲のもとに良しとする
    難しい問題 考えたくない、見たくないって言う、この国民のことなかれ主義が見え隠れする

    私はね、安全が保障できないってことと
    破棄物の処理ができないものを生みだすものを稼働させるって二点の事で原発反対なんだけど
    でも、その前に、日本人の暮らしぶり見直さなくちゃいけないんじゃない?
    歩けるところは歩くとか
    もっとものを大事にするとか
    経済効果ってのは二の次
    消費しないと経済が、って言う経済の構造自体がもう機能しないわけだからさ
    私は、もっと貧乏になってもいいと思うね
    畑の根っこみんなで食べようくらいでも
    空気も安心して吸えない、川で泳ぐのも廃棄物や放射能が、子供は外で遊べません
    そう云うことの代償に得る、便利や富って何?って思っちゃうもんね

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  2. junkoさん

    結局ね、殴るヤツが一番強いんですw
    日本も一時殴るほうに回ったんですけど、もっと強いやつに殴られて負けた。
    で、もう殴られるのがイヤなので殴られないように立ち回ってる。簡単に言えばそういうことです。
    外交でも経済でも同じことです。

    junkoさんはシッポ振るのやめて誇り高くノラになれ派ですか(笑
    ワタシは俺にシッポ振らせるのはそんなに安かぁねぇぞ?派です。
    外交ってのはにこやかに肩を抱いて談笑しながらテーブルの下で向こう脛を蹴りあうゲームですからねw
    もう少しクレバーに強かにやってほしいなぁこの国。

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  3. 単純二項対立のループに陥った結果推進派は ”リスク
    ヘッジをしないことで安全証明とする”、反原発派は
    ”事故が本当に起こることで自説の証明をする”という
    不健康な状態を引き起こしたと思っています。
    個人的にはやっぱり原発は否だけど、原発の地元には
    反でも推でもない何かがあるっていうのも知っています。

    飲んだ暮れで暴力振るう腐れ縁の旦那に苦労している
    奥さんに ”離婚するの?しないの?”って言われても
    そうそう簡単に答え出せたらとっくの昔に別れてるっ
    つーの、というのと同じです。

    ヨーロッパ人って基本すごく懐疑的だな・・と思うのですが
    比較的大きい国よりも小さい国にその傾向が強いと思います。ベルギーとかスイスなんかはその極みですね。
    あっちこっちに侵略されてすっかり根性ひんまがっています。
    ”永世中立国”って言って、成人男子皆徴兵、各家庭に普通
    にライフル銃があって、海がないのに海軍がある。
    スイスも脱原発すでに決めていますが、隣国フランスがあれだけの原子力発電所持っていればキリがなさそうですが、
    それと同時に、国民皆に行き渡るシェルター建設しそうなの
    もまたスイスだったりするんですよね・・。

    で、日本は今度こそ二項対立に陥らない議論を・・と思うのですが、まずは議論の仕方から学ばないといけないんでは?
    と思う今日この頃です。すぐ怒ってすねる人多いからね。
    ふんとに、もうっ!

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  4. ワタシ基本的に「カイゼルのものはカイゼルに」と思ってます。どんな問題であれ、それに主体的に関わるのは(関わらざるを得ないのは)そこにいる人間である以上、地元の判断は絶対的に優先されるべき、と思います。よその人間が外野からヤジを飛ばすのも応援するのも筋違い。

    でも原発の事故はそうじゃない、ってのが今回証明されました。直接的なリスクがひとつの地域、ひとつの自治体というレベルに収まらない以上、判断をそこに任せるのもまた筋違いと思います。
    原発の可否は複数の自治体を含めて広域で審議すべきです。そういう議論があっていい、あるべきなのにねぇ・・・

    地元的には「いまさら離縁と言うのなら元の19にしておくれ」的な不満もあるのでしょうが情深くない都会者としては「枯れ木に花が咲くならば19にするのも易けれど」としか言いようがありませんw
    せめて慰謝料と養育費だけはたっぷりもらってくださいとしか(笑

    日本人は確かにディベートに慣れてません。議論と口ゲンカの区別さえついてないような気もします。
    国会見てても小学校のHRからやり直せよおまえ、というような議員もいますしね(笑

    自分は他の誰かと違うスタンスに立っている、ということを基本的に受け入れられない何かが双方にあるんでしょうねw
    だから逆にそれが裏返るとことさらに奇異であることをアピールしたりそれが「個性的(笑)」とかわけのわかんない事言い出す連中が居たり。
    ま、それは別のまた話ですけど。

    ワタシ、わけあってヨーロッパの敷居は跨いだことがないので感覚的にはわかりませんが、地理を読み歴史を知ると、さもありなん、と思います。
    ただ幸いなのは単純な対立軸、わかりやすい二項対立の構図にホルホルしない賢さというのをヨーロッパの住民は不幸にも持たざるを得なかった、って点でしょうか(笑
    まぁ黒海のほうではつい最近まで単純にして複雑で発火点の低い民族問題でぐちゃぐちゃしてたようですし、その賢さってのもかなり限定的であまりアテにはならないのかもしれませんけどね。

    あ、ちなみにピレネーの西はヨーロッパじゃねぇよ、と誰かが言ってたような気がするのでスペインは一度行ってみようと思ってます。

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